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ありがとう十五夜丹蔵

岡山県出身の関取がしばらく出ていない。私が強く印象に残っているのは鷲羽山で、小兵ながら技能派として館内を沸かせたものだ。四股名のとおり鷲羽山がある児島の出身である。他にも昔、常ノ山という技能派力士もおり、児島には常山という山もあるが、こちらは岡山出身唯一の大横綱常ノ花にちなむ四股名のようだ。

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倉敷市木見に「十五夜丹蔵の碑」がある。碑の右上に「慶應二寅年七月五日」の日付を読み取ることができる。

郷内歴史保存会の標柱があるから碑に気付くことができたが、いったいどのような人物なのだろう。原三正『郷内地区の文化財』(児島地区老人クラブ連合会郷内支部)には、次のように記されている。

十五夜丹蔵(ヂュウゴヤタンゾウ)
木見の人、大阪角力千田川内の頭取になったが、郷里に帰り地方宮角力の元締なども勤めた。特に岩椿神社に縁故が深いと言う。尾原・木見の若者となじみ深く、里民がその歿後碑を森池の東岸山麓に建てている。慶応二(一八六六)年七月五日歿(幕末時代)

千田川は年寄名跡として続き、現在の親方は幕尻優勝で好角家を沸かせた徳勝龍である。十五夜丹蔵は本場大坂仕込みの相撲を地元に伝え、力を持て余す若者に活躍の場を提供したのだろう。盛んになった宮角力は、今も地域児童の子供力士として残っているそうだ。

大相撲初場所が今日から始まった。1横綱3大関のうち3人はモンゴル出身だが、近年は本邦力士が終盤まで勝ち残っている。岡山県出身力士の最高位は現在、西幕下三十七枚目の大元である。さあ、これからが楽しみだ。


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