倉敷市寿町の倉敷チボリ公園は本年末をもって閉園する。1997年7月18日の開園から11年半の営業だった。近県にはない上質なテーマパークであった。アトラクションを楽しむのもよし,風景を眺めるのもよし。家族がそれぞれの過ごし方のできる公園であった。このこともやがて歴史 となって,「昔,そんな公園があったね」と笑い話のように語られるのだろう。
デンマークのゲオ・カーステンセンがコペンハーゲンにチボリ公園を開園したのが1843年8月15日。当時の国王クリスチャン8世から約6ヘクタールの土地を借り受けて建設したという。以来160年以上,デンマーク国民だけでなく世界からの集客力を誇る公園と発展している。
わが倉敷チボリ公園には,カーステンセンの像はもちろんのこと,有名なアンデルセンと人魚姫,そしてウォルカセン(初期にピエロを演じた人気役者),H・C・ロンビュー(チボリ創設時の演奏家)の像もある。北欧の異国文化に接する貴重な施設であった。
今日もチボリは大盛況である。別れを惜しむ気持ちで大勢の人が訪れるのだろう。フィナーレを告げるポスターにカーステンセンの言葉を見つけた。
チボリは決して完成しない。チボリは未来にある。
確かに倉敷でチボリは完成することがなかった。しかし,チボリは未来に向かって様々に発展し続けることだろう。世界のチボリが遠く日本で一瞬の輝きを見せたのも,発展の一つの形であった。
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