帝の墓に入るのは滅多な事ではできない。天皇家の墳墓なら参拝するのみだ。人民の国家,中国では皇帝の墓が観光地になっている。商魂たくましいのではなく,観光することで皇帝の偉大さ,国家権力の強大さを実感させる効果があるのだ。
中華人民共和国昌平区十三陵特区に「定陵」がある。この周辺一帯が明の皇帝の墓域で,まとめて十三陵と呼ばれている。その一つ「定陵」は,14代神宗万暦帝の陵墓だ。写真は「石五供」と呼ばれる祭器の香炉である。
この枝は龍の爪に見える。皇帝の墓に相応しい樹だ。名を龍爪槐(リュウノツメエンジュ)という。
亀が石碑を背負っているのは「神功聖徳碑」である。実は頭部は亀でなく螭(龍の一種)であり,触ると縁起が良いのだそうだ。
観光客は,この後,地下宮殿へと進む。墓はとにかく大きい。観光客もまた多い。 明の財政を傾けた万暦帝は今,中華人民共和国の外貨獲得に貢献している。
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