鉄人28号でなければハウルの動く城である。市民ミュージアム前の巨大オブジェだ。前衛的な作品で驚かせようとしているのだろう。アヴァンギャルドと鑑賞したまではよかったが、芸術作品ではなかった。
川崎市中原区等々力の川崎市市民ミュージアム前に「トーマス転炉」(Thomas Smelting Furnace)がある。
実物を見ても名前を聞いてもさっぱり分からないので、ミュージアムのパンフレットを読んでみよう。
トーマス転炉は、昭和12年、日本鋼管(現JFE)に導入された製鋼炉で、日本の鉄鋼業界の発展に貢献した貴重な産業遺産です。
短い説明だが十分だ。アートではなくマシーンだった。しかも京浜の産業発達史を語る象徴的な遺産だった。鉄の火を噴く怪獣、トーマスの動く転炉である。しかし実は、怪獣を見るのが目的ではなく、特別展「日本の幻獣」展の観覧に来たのであった。そのチラシにはこう書いてある。
この世にいるのか、いないのか―。
いつの時代にも目撃されてきた不思議な存在、
それが「幻獣」。
いま、彼らに会えるのは
川崎市市民ミュージアムだけ!
水夫を救助したお礼にもらった人魚のミイラだとか、13人を即死させたという印旛沼の怪獣だとか、訳が分からないものを食い入るように見ながらイマジネーションの世界に浸っていた。その時のことだ。15時10分、千葉県南東沖、北緯34度50分、東経140度21分、深さ69kmの地点でマグニチュード5.5の地震が発生したのである。震度3であった。
この時は幸いなことに、あ、と思った程度で済んだが、昨日の昼に発生した未曾有の地震には改めて自然の脅威を思い知らされた。職場のビルもかなりの距離があるのにユラユラ揺れた。現地では日付が変わった今も余震が続いているようだ。冷却できなくなったという原発を含め被害が拡大しないことを祈るばかりである。
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