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縄文人が残したタイムカプセル

冷蔵庫の中に入れていても腐らせてしまうくらい、ずぼらだ。こんなことでは罰が当たる。食料の確保は人間として、いや生物として最優先にすべき行動である。在庫管理を徹底し、無駄を出さぬようにせねばならない。

ところが驚くべきことに、縄文時代の木の実が保存されていたのである。まさにタイムカプセル!

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赤磐市南方(みなみがた)に県指定史跡の「南方前池遺跡」がある。

どこに遺跡があるのかと思ったら、溜池の底らしい。どのような遺跡なのか、説明板を読んでみよう。

南方前池遺跡 南方
南方前池遺跡は縄文時代晩期(紀元前四世紀)から奈良時代(八世紀)にかけての遺跡で、一九五七(昭和三二)年五月に岡山県の指定史跡になりました。この遺跡の調査は、一九五五(昭和三〇)年一〇月から一一月の間、考古学研究会を中心に岡山大学、広島大学、静岡大学などと地元山陽町、南方地区の協力によって行われました。
調査により、奈良時代の水田の畦らしい木杭列の遺構や、縄文時代晩期の食料貯蔵穴一〇基が発見されました。貯蔵穴の中には、トチやドングリなどの木の実が、原形のまま残ったものもありました
このように、南方前池遺跡はわが国における縄文時代の採集生活の様子や、食生活の実態を知ることのできる貴重な遺跡として、全国から注目されました。
出土遺物は、山陽郷土資料館に保管・展示されています。
平成十五年三月
赤磐市教育委員会

木の実は樹皮や木の葉や網代(あじろ)で覆われ、さらに粘土で密封されていたという。単なる貯蔵ではなく、地下水を利用して渋抜きをしていたともいう。渋抜きしたドングリをどのように調理して食べていたのだろう。クッキー、だんご、スープなどが考えられよう。

家の前に拾ってきたドングリを埋めていたら、芽が出て若木になった。うれしがっているうちにどんどん大きくなり、今ではどうしようか迷うくらいになっている。いまだ実が生る気配はないが、実をつけたとて食べる計画はない。それより、冷蔵庫の整理をしたほうがよい。


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