年中行事を伝えるのはニュースの大切な役目で、毎年同じ内容のニュースなのだが、「ああ、今年もそんな時期か」と季節の移り変わりを知らせるカレンダーである。特に東大寺二月堂の「お水取り」が印象に残っている。テレビでしか見たことはないが、あの迫力は何なんだ。火の粉のナイアガラではないか。
京都府相楽郡笠置町大字笠置字笠置山の笠置寺に「正月堂」がある。
東大寺には二月堂がある。法華堂のことを三月堂ともいい、三昧堂を四月堂ともいう。正月から四月まで揃ったが、笠置寺と東大寺は何か関係があるのだろうか。笠置寺奉賛会による正月堂の説明板を読んでみよう。
笠置寺本尊弥勒大磨崖仏の礼拝堂である。天平勝宝四年(七五二)東大寺実忠和尚が千手窟で修行の折感得された十一面観音をまつる。
現在奈良二月堂で営まれるお水取りは第一回目この正月堂で営まれたものである。
創立の建物は元弘の戦で焼失したが室町時代東大寺貞盛和尚により復興されたのがこの建物である。
実忠和尚とは、東大寺開山の良弁僧正の高弟として寺院造営に活躍した高僧である。笠置山の千手窟から兜率天(とそつてん=弥勒菩薩の住むところ)に入り聖衆の行を見た。「この行は下界でもできるのでしょうか」と実忠が問うと、「ここ天上の1日は下界の400年に当たる。とてもできないだろう」と答えが返された。それでも実忠は「走りながら誠を込めて勤行いたします」と説得して許しを得たという。
天平勝宝4年から今日まで一度も絶えることなく続けられた二月堂の「お水取り」。この寒い中でブログを書いていると、春が待ち遠しい。平成24年は1261回目となる。第1回目の場所が正月堂。分かりやすい。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。