巨勢金岡といえば,大和絵の様式を確立した平安時代の絵師である。その金岡が「いぼ神様」となって信仰されているというから不思議だ。
岡山市西大寺上1丁目の小学校と中学校の間に「巨勢金岡の墓」がある。晩年をこの地で過ごしたと伝えられ,墓の右手に「筆洗いの井戸」もある。
この地はかつて金岡荘という荘園の一部であった。また,金岡と血縁があるとされる巨勢野足が備前国司を務めている。そのようなことが伝説形成に関係するものと考えられる。
件の金岡の墓は,石灰岩でできており,鎌倉時代以後のものらしい。形がいびつになっているのは,墓石を削りその粉末をいぼに塗ると取れると言われているからだ。地元で「かのう様」と呼んでいるくらいだから,きっと願いが叶うのだろう。
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