まだ上下水道が整備されていなかった昔,赤痢の流行はよくあることだった。その病原菌を発見したのが,教科書にも登場する志賀潔である。彼が発見した赤痢菌は「志賀菌」と呼ばれている。決してイジメではなく,名誉ある名称である。
仙台市青葉区北山一丁目の輪王寺に「赤痢菌発見者志賀潔先生菩提」の標柱と「志賀家之墓」がある。
この標柱を立てたのは仙台市立通町小学校で,開校89周年を記念しているとのことだ。なぜ89という数字なのかはよく分からない。この学校は明治21年開校の伝統ある小学校だから,89周年は昭和52年になる。これは赤痢菌発見80周年に当たる。
志賀潔先生は著名な学者であるが,清貧を貫いた高潔な人柄も知られている。小学生に郷土の偉人として紹介するのに相応しかろう。昭和24年には土井晩翠,本多光太郎とともに仙台市名誉市民の称号を贈られている。学都仙台に敬意を表したい。