ゲームから歴史に入る。それもいいだろう。『戦国BASARA』にはまって武将ゆかりの地を訪れる人が多いようだ。伊達政宗が人気なのは昔からだが,片倉小十郎のようにゲームでメジャーデビューを果たすところが現代的だ。
仙台市青葉区青葉町に「青葉神社」が鎮座する。
祭神は武振彦命(たけふるひこのみこと)である。どちらの神様かと思えば,仙台藩祖贈従二位伊達政宗公である。由緒書によると,社殿はもともと仙台城内にあったが,明治七年に県社に列せられるとともに,この地に移転したということだ。
片倉小十郎は政宗の軍師として仕え,片倉氏は代々家老として藩を支えてきた。その功により明治期に男爵に列せられ,現在は青葉神社の宮司をされている。
境内に伯爵家だった伊達家の現当主である泰宗氏夫妻が奉献された樹が大きく育っている。主従のつながりはゲームのように一時のものではない。仙台藩の歴史は人の絆として現代に続いているのだ。
ゲームは史実のみで構成できないし,尾鰭を付けないと面白みに欠ける。虚実入り乱れたゲームだが,現地に立って虚と実を整理するとよい。人が歴史に何を求めているのか,どのように史実を認識するのか,そんな面白さに気付くに違いない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。