「古神戸湖」,その名を聞いただけで惹きつけられた。今から3500万年前,神戸を中心とした地域に大きな湖があったという。どのような光景を想像すればよいのか。都会的な地名と大自然,そのギャップに戸惑うばかりだ。今日は太古の昔を散歩しよう。
三木市与呂木と久留美の境を美嚢川が流れ,両岸が潜水橋で結ばれている。
ここは近畿自然歩道に当てられており,軍師・竹中半兵衛の墓所にも近い。人文系も自然系も満足させるルートである。橋の上から川底を観察してみよう。
この川底には,いくつかの丸い穴が開いている。これが「美嚢川の甌穴(おうけつ)」である。「甌」には碗という意味があり,英語ではpotholeという。要するに穴だ。
古神戸湖に溜まった火山灰が固まって凝灰岩となり,そこがいつしか川底となって,その川底の窪んだ場所にあった石が川の流れでクルクルと回転して深い穴を作った。穏やかな美嚢川。いったい何度激流となったのだろう。どれくらいの年月を経ているのか。火山灰はどこから噴出したのか。好奇心をくすぐる川底の穴である。
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