昨今のイスラム国やウクライナをめぐる世界情勢、深夜の少年殺害事件、農水大臣辞任に至った政治腐敗などのニュースを見聞きしていると、「世も末だ」とこぼす方も多かろう。そりゃそうだ。現在は末法の世なのである。しかも今に始まったことではない。永承七年(1052)以来、千年近く続いているのだ。
浜松市北区三ケ日町佐久米に「佐久米経塚」がある。
末法の世では経典が大切にされず、そのうちに散逸してしまい、正しい教えは誰にも分からなくなってしまうだろう。そこで経典を地下に保存し後世に伝えようと、経塚が築かれたのである。
末法は一万年続くというが、経典の保存は、なんと56億7千万年後の弥勒菩薩の出現に備えたものだという。50億年後には地球は太陽に飲み込まれてしまうというが、弥勒が現れたら地球がなくてビックリなんてことにはならないのだろうか。
旧三ヶ日町教育委員会が作成した説明版があるので読んでみよう。
三ヶ日町指定文化財 史跡 佐久米経塚
経塚とは経文を紙・石等に書写したものを銅とか土器の筒に入れ地中に埋納して弥勤世界まで保存しようとしたものであるが中世以降になると単に仏果を得ようとか或いは故人の供養の為などの目的でたくさんの小石又は瓦に経文を書写し、それをそのまま地中に埋めその上に石塔を建立した一石経塚と称するものがあらわれた。
この佐久米経塚はその一石経塚で、写された経文は金光明最勝王経であり、築造された年代は室町末期から江戸初期までの間のものである。
指定年月日 昭和五十年五月十七日 三ヶ日町教育委員会
紙の経典を銅の容器に入れて埋納した経塚は、平安末期に多く築かれている。室町時代以降は佐久米経塚のように、小石に経文を書いたものが多くなった。
現実、紙の保存はなかなか難しいが、石に書けば確実に残る。経塚の経典は法華経が多いが、佐久米の場合は金光明最勝王経である。聖武天皇の鎮護国家思想の原典に位置付けられる有難いお経である。
イスラム国が日本を標的にすると宣言したという。今こそ日本を鎮護、守らねばならない。金光明最勝王経を崇める時が来ているのである。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。