百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されることとなった。古墳ギャルのコフィーとともに心からお祝いしたい。というのも、この名作アニメには「ニントクくん」というイケメン前方後円墳が登場するからだ。
コフィーもそうだが、一般に古墳と言えば前方後円墳をイメージすることが多い。しかし、全国20万基の古墳のうち、前方後円墳は4,700基に過ぎないそうだ。大部分は円墳である。今日は、平凡だけど千数百年の時を越えて今も大切にされている円墳のひとつを紹介しよう。
明石市藤江に「カゲユ池古墳(一号墳)」がある。市指定の史跡である。
一号墳ということは、二号墳以下もあるのだろう。つまり、こちらも古墳群ということだ。調べると六号墳まであったが、明石市公設地方卸売市場の建設に伴って失われ、一号墳のみ保存されたようだ。説明板を読んでみよう。
明石市指定文化財(昭和五〇年度)
史跡「カゲユ池古墳(一号墳)」
一、カゲユ池古墳群のうち、二〜六号墳は昭和五〇年四月に発掘調査。管玉(くだたま)・石鏃(せきぞく)・須恵器(すえき)が出土した。
一、一号墳は、直径一六m、高さ一、三mの六世紀中頃の円墳である。藤江地区の古代史を理解するうえで欠かせない遺跡である。
明石市教育委員会
一号墳は調査が行われていないらしい。掘れば管玉や須恵器など古墳時代らしいものが出るのだろう。発掘と言えば聞こえがいいが、墓をあばく行為だから「墳墓を発掘した者は、二年以下の懲役に処する。」という刑法189条が適用されてもおかしくない。
百舌鳥・古市古墳群の保存状態が高く評価されたのは、陵墓として宮内庁が管理してきたからでもあろう。単なる史跡ではなく、現役のお墓なのである。未調査の一号墳の「中の人」(コフィーの表現)もまた、安心して眠っていることだろう。
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