うちの近くに昔、警報器も遮断機もない踏切があった。堤防の跡地に線路を敷いていたので、踏切の前後が坂になっていた。ある時、思い切り自転車をこいで踏切に上がると、汽車が近付いていて肝を冷やしたおぼえがある。
本日は田舎にはあり得ない都会の踏切を紹介しよう。
明石市に「南畑踏切」があり、線路を7本渡る。山陽本線だから通過する列車は多い。全長は35.5m。明石市内最長の踏切である。
平成20年には高齢女性の死亡事故があったそうだ。写真右の看板には「閉じ込められた人をみかけたら非常ボタンを押してください!」とあるが、誰もいなかったら万事休すだ。左の看板には何が書いてあるのだろうか。
お願い
歩行者・自転車ご利用の方へ迂回のお願い
この踏切は、延長が長いため横断に時間を要します。
通行中に警報機が鳴り始め、遮断機が閉まる可能性もあるため、できるだけ明姫幹線歩道をご利用ください。
危ないから迂回せよ、と言っている。かなり危険な踏切らしい。見ていると、高校生が遮断機が下りた後もあわてることなく歩き、棒をまたいで出て行った。ずいぶん慣れているのか行動に余裕があったが、そういう問題ではなかろう。
迂回路として指定されている明姫幹線は、駅の真下をトンネルで通過している。すぐ近くの小久保交差点から始まり、高砂で姫路バイパスに合流する。姫路まで直接つながっていないが、明姫幹線といい、明姫グリーンロードとも呼ばれている。国道250号の一部でもある。ちなみに、この国道は神戸と岡山を結んで交通量が多い。
いくら通行量の多い道路とはいえ、地図を見ると、大回りだからやっぱり踏切を渡っちゃおう、という気になる。このことは明石市議会でも議題となり、令和3年度を目途に踏切にエレベーター付き歩道橋を設置することが決まっているそうだ。この踏切は遠くない将来に消滅する。人の命は何ものにも代えがたい。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。