Society5.0がやってくる。1.0の狩猟社会、2.0の農耕社会、3.0の工業社会、4.0の情報社会に続く未来社会で、そこでは経済発展と社会的課題の解決が両立するのだという。マルクスの共産主義社会やキリスト教の千年王国の如きユートピアに思えるが、本当に実現するのだろうか。
狼煙を上げていた昔に比べると、通信技術の発達で情報量も伝達速度も、確かに驚くほどの右肩上がりだ。全国から東京に集まっていた会議など、リモートで済んでしまうことが多くなった。
それでも物流だけは、1.0~5.0までバージョンアップしようが変わらない。お店の商品は人であれドローンであれ、物流なくして手にすることは不可能なのである。
岡山市北区牟佐に「林原古墳群」がある。説明板の図と照合すると、写真の盛り土が5号墳に見える。南側の開口部は草木が茂り、内部が確認できなかった。
ネット上にある先達のレポートには、内部の石組が鮮明な写真が掲載されている。立派な古墳のようだが、どのような意義があるのか、説明板を読んでみよう。
6世紀後半から7世紀前半に築かれた、直径十数メートルの円墳が8基あります。県道工事の際の発掘調査で、5号墳の横穴式石室から杯(つき)や平瓶(ひらか)(液体を入れる容器)などの須恵器、ガラス玉や耳輪などの装身具、鉄の鏃や太刀の鞘(さや)金具といった武器類が出土しました。
牟佐は東西陸路と南北河川交通の結節点で、巨大石室をもった牟佐大塚古墳(国指定史跡)とともに、この地域が古墳時代後期に繁栄したことを物語る貴重な古墳です。
葬られているのは、舟を浮かべて旭川の水運を担った有力者一族かもしれません。
(看板提案:牟佐町内会)岡山市
古代山陽道で九州や畿内と結ばれ、旭川で瀬戸内海や中国山地と結ばれていた。あるいは日本海とも交流があったかもしれない。牟佐大塚の主が水陸両方を統括する親会社なら、林原に葬られたのは水運部門を担う子会社のメンバーだったのだろうか。
日通をトップに郵政、クロネコヤマト、佐川と続く運送業界、宅配なら宅急便に飛脚便、ゆうパック。この業界に、高い技術力を誇るソニーがドローン物流で新規参入するという。いくら空を飛んでも、物資を集積する基地は必要だ。それをどこに置くか。水陸の物流拠点とは別の発想が必要なのかもしれない。
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