蛇の穴と聞いたら,何か恐ろしい所に思える。洞窟のような場所を想像してみる。さて,実際にはどうだろう。
姫路市香寺町香呂に「蛇穴(じゃけつ)神社」がある。
いらない想像をして失礼だった。花咲く美しい神社だ。神社の由緒には次のような物語がある。
この神社の鎮座する場所は,その昔,市川の中州であり,大蛇が棲むという大穴があった。人々は「蛇穴の森」と称して畏れていた。ある里人が重い病に罹り平癒を祈ったところ,老媼が枕元に現れ「我は厳島の神なり。我が社殿を蛇穴の森に建立せば,汝の病たちどころに平癒せしむべし」と言った。さっそく里人と相談して社殿を造営したところ,日ならずして全快したという。以来,皮膚病や痔疾などに霊験あらたかとして多くの参詣者を得ている。
扁額は蛇の目模様で社名に相応しい。絵馬にはエイが描かれていた。写真にはないが蛸が袴を着けた絵柄のものは市指定文化財となっている。これらのデザインは,先に述べた御利益と大いに関係しているということだ。
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