岡山の郷土料理ばら寿司の具材として欠かせないのがモガイ。一般的にはサルボウが和名である。これらの貝の仲間が寿司ネタで有名なアカガイだが,岡山ではサルボウが「赤貝」として売られているからややこしい。
笠岡市西大島字津雲に「津雲貝塚」がある。
縄文時代の人骨が多数出土したことで知られ国指定の史跡となっている。発掘は大正時代に行われたが,その現場には現在家が建てられている。出土人骨の多くは京都大学が所蔵しているということだ。
畑として耕された場所には,写真のように貝殻が散布している。中心に写っているのがハイガイだ。ハイガイはアカガイやサルボウの仲間だが,放射肋の数が少ないので見分けがつく。かつてハイガイは瀬戸内海で普通に見られていた。貝塚でなくとも干拓地で貝殻を拾うことができる。
さて,そのお味は,にぎりのアカガイを想像すればよいのか,ばら寿司のモガイを思い出せばよいのか。味付けは醤油ではなく,シンプルに塩で素材の味を楽しんでいたに違いない。
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