隕石が落ちるのはよくあることらしい。小さなものなら燃え尽きるだけなのでニュースにならない。しかし、今回は違う。15日午前9時23分にロシアのウラル地方で隕石が落下した。直径17m、質量1万トンだという。しかも、隕石の落ちるのが映像で記録され、しかも人的被害まで出ているとなると、無関心ではいられない。
子どもの頃に1908年の謎のツングースカ大爆発の話を読んだ。ふーん、そんなこともあるのかと思っていたら、本当に起きた。大きさはツングースカ以来最大だという。あまりにも驚いたので、日本の隕石の史跡を紹介することとしよう。
松江市美保関町七類惣津(当時、八束郡美保関町)に「美保関隕石」の落下地点を示すモニュメントがある。隕石のレプリカがはめ込まれている。
1992年12月10日のことである。自宅に隕石が落ちてきた松本さんの証言を聞いてみよう。『宇宙からの訪問者 美保関いん石』(山陰中央新報社)より
その日は、夕方から強い北西の風と冷たい雨が窓をたたきつけていた。そのうえ「今夜の雷はいやにしつこいなー」と妻と話したほど、雷が長い時間、上空で暴れまわっていた。冬将軍の到来である。
午後9時ごろだろう。夕食をすませたところへ親類の女性がやって来て3人で話し込んでいた時、突然「ドン!!」と大きな、しかも随分と重い物が落ちたような音が響いた。とっさに3人とも「雷が落ちた」と思い、私は懐中電灯をかざして家の周りを見回った。しかし何事もないようだった。
しかし、実際には別の部屋を突き抜けていたのだった。6.38kg、最大長25.2cmの石質隕石である。建物以外に被害がなかったのは幸いだった。この時の当事者、松本さんが今回の隕石に関連して新聞社から取材を受け、次のように語っている。16日付毎日新聞より
あの時は雷が落ちたかと思うほどの大きな音だった。
ロシアでけが人が出たというのは痛ましいばかりだ。
ロシアでは天体落下の警報システムが不可欠だとの声が出ているそうだ。とはいえ、軌道が予測できる天体は45m程度が限界という。それでもできる限りの努力を各国が続けている。日本には日本スペースガード協会による観測施設スペースガードセンターが岡山県の上齋原と美星にある。まさに地球規模で人類を守る「地球防衛軍」である。
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