今日は「日本三景の日」だ。平成18年に制定された記念日である。当然ながら、祝日法に記載されていない。いっそのこと祝日にしてしまって、夏休みの開始、レジャーシーズン到来の景気付けとすればよい。
宮津市文殊に「日本三景碑」がある。平成6年に日本三景観光連絡協議会が創立20周年を記念して建立した。「日本三景の日」を定めたのも、この連絡協議会である。
碑の裏面には、宮津市長、松島町長、宮島町長の名が刻まれている。三景それぞれに「日本三景碑」が建てられているという。
そもそも「三景」とは、いつ誰が言い出したのか。碑面には林春斎『日本国事跡考』(寛永二十年、1643)の一節が刻まれている。林春斎は有名な林羅山の子で、林家第二代鵞峰(がほう)のことである。碑文には天橋立が三景の筆頭のように刻まれているが、原文は次のとおりである。
松島此島之外有小島若干殆如盆池月波之景境致之佳與丹後天橋立安藝嚴島爲三處奇觀
松島、この島のほかに小さな島がたくさんある。ちょうど池の水面に輝く月光の波のようだ。その景観の美しさによって、丹後の天橋立、安芸の宮島とともに、三か所の絶景とされている。
この一文は「陸奥国」の項に記されており、名所として松島を紹介したものである。松島の美しさは多島美にある。溺(おぼ)れ谷という特徴的な地形だ。
宮島の美しさは自然美と人工美の見事な調和である。単に美しいだけでなく、平清盛ゆかりの歴史など文化的にも貴重で、世界遺産に登録されている。
天橋立は砂州(さす)という地形で、あの小式部内侍(和泉式部の子)が歌に詠み、あの雪舟が描いたことでも知られている。そして、本日のbingの背景画像に取り上げられている。
ところで「日本三景の日」は、なぜ今日7月21日なのか。林鵞峰の生れたのが元和4年5月29日、これが今の暦では7月21日となるそうだ。
来年から8月11日が「山の日」という祝日になるが、その由来がよく分からない。しかし、休みだから誰も気にしていない。
「山の日」に比べると、「日本三景の日」は根拠がしっかりしている。立法権を有する国会議員のみなさま、ワーク・ライフ・バランスの実現のために、祝日法に「日本三景の日」を書き込もうではありませんか。
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