兵庫県の「兵庫」は、神戸港のあたりに置かれていた武器庫に由来するという。そこは畿内の西の守りであった。神戸市の「神戸」は、生田神社に税を納める家を意味していたという。この神社は神戸発祥の地といえる。では、須磨区の「須磨」には、どのような由来があるのだろうか。
須磨区須磨本町一丁目に「諏訪神社」が鎮座する。
祭神は各地の諏訪神社と同様に「建御名方命(たけみなかたのみこと)」である。力自慢の神様で諏訪地方を本拠地としている。この神社が須磨とどんな関係があるのか。説明板を読んでみよう。
社殿が東を向いているので東向明神ともいう。この諏訪神社は、狩猟・農業・国家鎮護の守護神であり、かつ十一月八日の祭日には村民が猪狩の神事を行い猪肉を食べる習慣があったといわれています。
一説ではこの神社の「諏訪(すわ)」が訛って「須磨(すま)」の地名がついたともいわれています。
そう、ここは「須磨」発祥の地なのだ。須磨の地名より諏訪信仰が先だとすると、諏訪信仰の広がりには驚かされる。これには別説もある。須磨に「摂津関」があったことから分かるように、ここは畿内の西端である。畿内の隅(すみ)だから須磨(すま)になったともいう。
地名の由来の解明は意外に難しい。けれども、いろいろと考えるのが楽しい。関を破って賊が侵入した。「すは、一大事!」感嘆詞の「すは」から「すま」になった。んなわけないか。
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