暑い夏のおすすめスポットは、横穴式石室である。古代人のお墓だからゾクッとするというわけではなく、中に入ることができれば実際に涼しい。石が崩れないかとヒヤヒヤするが、千数百年間崩れてないのだから、大丈夫だろう。
芦屋市東芦屋町に「芦屋神社境内古墳」がある。その名のとおり芦屋神社の境内にあり、平成28年に市の文化財に指定された古墳である。
直径19mの円墳で、石室の全長は10.4m。見た目よりもずいぶん大きいようだ。6世紀末から7世紀初頭にかけての築造らしい。中に灯りがついているが、何だろうか。説明板を読んでみよう。
芦屋市内において唯一、横穴式石室が完存する古墳。
本来、このあたりは笠ヶ塚群集墳として多くの古墳があったが、今はこの古墳しか残っていない。
現在は、弁天岩(芦屋川上流)で祀られていた水神の社となっており、玄室内には、後世の石祠が置かれている。
平成29年3月 芦屋市教育委員会
石室が空室になっていたところを、ヤドカリ宜しく水神が間借りし、水神社となった。古墳全体は芦屋神社本殿に祀られた17柱の神々が守り、石室内は水神が守っている。文化財としてだけでなく、神々の守護により保存されている。
周辺にはたくさんの古墳があったようだが、昭和初期の宅地開発で消滅した。この古墳が唯一残ったのは、やはり神のおかげか。閑静な高台は、かつて高級霊園、今や高級住宅地として、人々の魂に安らぎを与えている。
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