日頃は神社に参拝しなくとも、初詣に行かずにはいられない。年の始めのためしとて、終わりなき世のめでたさを私も祝ってきた。今年は皇室の代替わりが予定されていることから、我が国の弥栄を特に祈念した。
本日紹介の武雄神社は、360歳を誇る日本一長寿の神様、武内宿禰を祀る由緒ある社だ。さっそく参拝することにしよう。
武雄市武雄町大字武雄に「武雄神社の肥前鳥居」がある。市の重要文化財(建造物)で、「一ノ鳥居」が「三ノ鳥居」が指定されている。写真は三ノ鳥居である。第21代武雄領主鍋島茂綱によって元和三年(1617)に再建されたものという。
鳥居にはさまざまな種類があるが、基本は2本の「柱」が上部の「笠木(かさぎ)」を支え「貫(ぬき)」で連結されている構造だ。笠木の下に「島木(しまぎ)」のある明神(みょうじん)系と、それがない神明(しんめい)系とに大別される。明神系は笠木に反りがあるものが多く少しゴージャスな感じだが、神明系は直線的でシンプルである。
武雄神社の肥前鳥居は、笠木に反りがあって島木と一体的に表現されている。武雄歴史研究会編『ふるさとの歴史散歩 武雄』に、簡単な解説が掲載されているので読んでみよう。
武雄神社の参道入口と社前に一基ずつ建っている。肥前国独特の形をもった石造の鳥居で流線型の笠木に特徴があり脚、貫(ぬき)ともに三本継ぎである。
よく見ると確かに、笠木、貫、脚それぞれが三つの石材から構成されている。何よりも気になるのは、脚の太さだ。写真は下から見上げているので脚が太く見えると思われそうだが、実際に下に向かって太くなっている。
この独特のフォルムはなぜ生み出されたのか。周囲への対抗心か、創造性の発露か、それとも機能性の追求か。私は機能性を重視したいと思う。脚は太いほうが安定する。山も裾野が広ければ美しい。優秀な若い人材が多いほど会社は発展する。肥前鳥居は縁起がいい。