TBSの『日本沈没』が高視聴率とか。地球温暖化により海水面が上昇、海底への圧力が高まってプレートが沈み込むのだという。その場所は日本の中枢、関東地方である。そんなことが起きるのか、と言われたら、起きないのだそうだ。だから安心してドキドキしていられるのだ。
しかし私は今回、中国地方で日本が沈没していた証拠を発見したのである。(笑)
岡山市南区彦崎に「舟着岩」がある。
けっこう高い場所にある。あんなところに、舟が着いていたとは。とりあえず登ってみよう。
とにかく巨大な岩で、しがみついて向こうを見れば彦崎地区が一望できる。本当に水位がここまであったなら日本沈没間違いなしだ。文献にはどのように記されているのだろうか。土居卓治編著『吉備の伝説』第一法規には、次のように記されている。
舟着岩
児島郡灘崎町彦﨑の稲荷山(一五五メートル)の中腹にある。高さは三メートルくらいあり、下の部落からも見える。昔、この岩に舟を着けたという。
この本には絶景写真が掲載されているので同じ写真を撮りたかったが、木が茂っていたため無理だった。それでもここまで登る価値は十分にある。さらに文献を調べてみよう。今度はかつての灘崎町が発行した『灘崎町史』である。いわば正史ということになるだろう。
稲荷山(標高一五五・一メートル)の東中腹(標高九〇メートル)に舟着岩という巨岩が、そびえている。丈余の建石で、下の村からも見え、昔から天にもそびえるといっていたほどで、大昔にこの岩に舟をつけていたと伝えている。またこの岩には鴻の鳥がたくさんいたので鴻の岩ともいわれている。またかきがついていたともいわれる。
(註)彦崎貝塚の位置から考えて、この岩に舟の着くことはあり得ない。
なんと「かきがついていた」との証言が得られた。まさに海だった証拠だ…。いや、「ともいわれる」と伝聞だし、私が見た限りではかきはなかった。ガセネタだったのか、イマジネーションの産物だったのか。
ノアの方舟の木片がトルコ東部にあるアララト山の標高およそ4000メートル地点で発見されたというニュースが2010年に流れたことがある。それはもはや世界沈没。そう考えれば90メートルくらい沈んだとしても不思議でも何でもない。
しかし『灘崎町史』が冷静に説くように「この岩に舟の着くことはあり得ない」のだろう。これまでで日本が最も沈没した縄文海進でも、水位は今に比べて2~3メートル高いに過ぎないという。地球温暖化による水位上昇とプレート崩壊による沈降によって将来、この舟着岩に本当に船を係留するなんてことにならぬよう願うのみである。
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