平清盛の供養塔は京都や明石に存在し,いかにもそうだろうと納得させてくれる。ところが,彼の活躍の舞台からやや離れた吉備高原の山中にも,清盛のものと伝えられる供養塔がある。
岡山県の吉備中央町湯山に清水寺という天台宗の寺院がある。「せいすいじ」と読む。本堂裏手にある供養塔は高さが2.6mもあり,鎌倉中期の造立だという。
『吉備の伝説』に紹介されている縁起はこうだ。清盛が宮島の厳島神社造営のため下向した時に,神のおつげによってこの寺に参籠し工事の完成を祈った。そこで清盛の死後,この供養塔を建てた。
清水寺は仁安三年(1168年)に,清盛が十二坊を建立し寺領三百石を寄進したのが草創だという。西国は平氏の地盤であったというが,海路から遠く離れた史跡は珍しい。
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