豊臣秀吉を日本人は大好きだ。出世の夢を体現している武将であり,良くも悪くも人間味あふれる政治家であった。信長の家来として史料に登場する以前は不明なことが多いのだが,史実を伝説が補って,その誕生からドラマが始まっている。
名古屋市中村区の中村公園に「豐公誕生之地」がある。
公園内には豊国神社のほか,ひょうたん池,関白池,太閤池があり,まさに秀吉ワールドである。地元有志と県令の国貞廉平(在任M13~M18)との協力により,明治十六年に生誕地を示す標柱が建てられ,秀吉の顕彰活動が始まったようだ。
秀吉の幼名を「日吉丸」というが,日吉権現に祈ったとか日輪が懐に入って懐妊したとか,多分に伝説的である。ここ「豐公誕生之地」の案内板は「幼名は小竹,あるいは日吉丸」と説明している。「小竹」は弟の秀長の幼名とされる場合が多いのだが…。
この公園では腕白盛りの「日吉丸となかまたち」が遊んでいる。かつては農村部だった中村も,今ではすっかり住宅地になった。この公園に遊ぶ現代の日吉丸たちも大志を胸に秘めているに違いない。
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