神社の祭神は記紀神話の登場人物の場合が多い。天下統一の三英傑も神となっている。近代においては軍神が崇められた。今日紹介するのは藩祖を祀る神社である。
高槻市野見町の野見神社の境内社として「永井神社」がある。
この地は高槻城三の丸北郭にあたり,高槻藩の藩庁の一部をなしていた。この藩は成立当初は城主がめまぐるしく変遷するが,慶安二年(1649)に永井直清が入って以来13代にわたって高槻を治めた。
永井神社は,寛政五年(1793)八月に直進(なおのぶ)が,藩祖直清公を祀って創建したものである。永井直清は城下町を整備し,高槻発展の礎を築いた。直進は財政難の中,この神社を建てた。時は寛政の改革,風紀の引き締めを図るため,人心の向かうところを設けたということか。
それにしても「永井神社」というネーミングはストレートだ。藩士や藩民に頭を下げさせるのではなく,城主自らが藩祖の遺徳を偲ぶのが目的だったのかもしれない。
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