オランダのアイセル湖についで世界第2位の面積を誇る人造湖,それが児島湖である。地元では「淡水湖」と水の性質による呼称が定着している。児島湾を堤防で締め切って淡水湖をつくり,干拓地の灌漑に活用した。おかげで岡山市南部は有数の米作地帯として発展してきた。
岡山市郡(こおり)の児島湾締切堤防上に昭和天皇の御製の碑がある。
天皇は昭和31年4月1日,皇后を伴って堤防の工事現場を視察され,次の歌を詠まれた。
「海原をせきし堤に 立ちて見れは
しほならぬうみに かはりつゝあり」
昭和34年(1959年)2月1日,児島湾締切堤防の完工式が行われる。それから50年。狭くてクランクのあった堤防上の道路は,樋門の改修とともに拡幅されて直線となり,通行車両が1日当たり平均1万4000台という交通の大動脈としての役割を持つようになった。
本日,午前9時から岡南飛行場多目的広場において,石破茂農林水産大臣を迎え「児島湖締切堤防完成50周年記念~ふれあいフェスティバル~」が行われた。農政の課題は50年前とは大きく変化し,近年は環境保全がクローズアップされている。ここは,広い景色を眺めることのできる貴重な場所なのだ。