川の源流を探る旅はおもしろい。滔々と流れる大河にも最初の一滴がある。その水は岩にぶつかり落ち葉を運び魚に飲まれながら海へと向かう。あたかも人生に色々あるように。
寝屋川市池の瀬町に「寝屋川の起点」がある。
寝屋川といえば地名のイメージが強いが、ここでは川の話である。川の起点は源流、源流は山深い場所にあるのが普通だ。しかし、寝屋川の起点は市街地にある。
寝屋川はタチ川と北谷川の合流地点から始まる。下流に向けて写した上の写真では、左手がタチ川で手前が北谷川である。延長約21kmの一級河川で、天満橋付近で大川(旧淀川)と合流する。この川について寝屋川市教育委員会『ねやがわ歴史探訪』は次のように語っている。
寝屋川は、普段は静かな流れで、かつて農業用水や生活用水、大阪との船便などで地域の暮らしを支えてきた反面、大雨が降れば、星田の山や香里丘陵の水を集めて流れ、人々は随分と水害に悩まされてきました。現在では、改修等で近代的な川になりましたが、先人のこうした水との共存と治水の苦労が、私たちの郷土を生み、育んできたといえます。
この川は、かつて「剣先船」が浮かぶ物流網の一つだったという。この川は、昭和47年夏の豪雨で大水害を引き起こして、人々は大変苦労したという。
魚が「ねや川のきてん」とつぶやいている歩道の敷石は、私たちに人生…とまではいかずとも、川との関わりを考えさせてくれる。
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