大きな公園に慣れていなくて、代々木公園を歩いても歩いても目的地にたどり着けず、約束の時間が迫っていて大変に焦ったことを憶えている。帰り道では余裕があったので明治神宮を拝んだのだが、その境内の広大さは強烈な印象となって残った。明治神宮。御祭神は明治天皇と昭憲皇太后。大正9年(1920)11月1日の創建である。
守谷市中央二丁目に「明治神宮」が鎮座する。
ビッグネームの割に小さな神社で、かわいらしい。東京の明治神宮にあやかって創った、なんちゃって神社のように思える。ところがだ。境内の石碑に乃木希典と東郷平八郎の名前を見付けた。本当の明治がそこにあった。
神社の由緒は、榮町明治神宮奉賛会が設置した説明板に記されている。読んでみよう。
大正五年 この地に生活を営む十数名相計り 明治天皇のご威徳を敬慕 明治神宮遥拝所として奉祀 爾来明治節の十一月三日例祭を祝祭し 信仰厚く継承したるも 近時社殿の老朽 時勢との調和に意を用い 地域篤志の浄財の寄進みのり 栄えある神宮の改築造営滞りなく竣る
而して 昭和五十二年十一月三日厳かに遷宮の儀執行す
なるほど、大正5年(1916)の創建か。ということは、大正9年創建の東京の明治神宮よりも古いということだ。ただし、大正4年に内務省が東京府下代々木に明治神宮を造営することを告示しているので、守谷ではいち早く遥拝所を創ったということかもしれない。
守谷の小さな明治神宮。そこで出会ったのは日露戦争の英雄の名前であった。そして崇敬の対象は、近代立憲国家の偉大な君主、明治大帝(Meiji the Great)である。小さな神社から見えてきたのは、大きな歴史であった。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。