シマヘビならうちの近くにもいた。今もいるのかもしれないが、子どもの頃のように地面を見ながら歩かなくなったので、最近は見たことがない。見て気持ちの良いものではない。ヘビの抜け殻は財布に入れるとよいと聞かされていたので、やはり何か特別な存在なのだろうとは感じていた。
岩国市横山二丁目の白蛇横山観覧所に国指定天然記念物「岩国のシロヘビ」がいる。
白蛇は話には聞いていたが、実際に目の当たりにすると、その存在感は圧倒的だ。まさに神の使いにふさわしい。昔から岩国にいたのだろうか。観覧所内の説明板には次のように記してあった。
このシロヘビがはじめて文献にあらわれたのは、1738年(元文3年)の「岩邑(がんゆう)年代記」にある記録で、「岩国市横山の千石原御門(せんごくばらごもん)の附近にシロヘビが1匹いた」という意味のことが書かれています。
また「昔、今津の錦川の河口に吉川藩の米蔵が沢山あり、この米を食べるネズミを常食としていたアオダイショウが、白化してシロヘビになった」という伝説が伝えられています。シロヘビがこれらの米蔵の附近に沢山生息していたことは「錦川志(きんせんし)」という古文書にも記述されており、事実だったようです。
白い米を食べるネズミを食べて白色になったというのは荒唐無稽で、実際にはアオダイショウのアルビノ(突然変異による白化)で、世界的にも珍しいようだ。
記録に残された最初のシロヘビには後日談がある。発見されたのは元文3年6月3日。捕らえられたシロヘビを御殿医は、縦に裂いて火で炙り乾燥して漢方薬にしたそうだ。第6代領主吉川経永かその家族が服用したのだろう。もちろん効き目は抜群だったに違いない。
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