「こうのす川幅グルメ」というご当地グルメがある。戦後の食糧難の頃に少しでも安くおいしくと考案されたB級グルメ…ではない。メインは平成21年に誕生した「川幅うどん」で、約8cmの幅の広い麺である。
近年は、川幅せんべい、川幅どらやき、川幅ケーキと止まるところを知らない勢いだ。中でも秀逸なのは川幅鉄火丼で、幅広なネタに衝撃を受ける。なぜ川幅なのか。現地へ行ってみた。
鴻巣市滝馬室(たきまむろ)の御成橋のたもとに「川幅日本一」の標柱がある。
ここは荒川。幅は2537mだと表示されている。平成20年に徳島県の吉野川(2380m)よりも広いことが判明し、町おこしに活用するようになったわけだ。
幅の広さを体感するため歩いて渡ろうかと考えたが、往復して5kmだと気付いて思い留まった。写真でも分かるように、どこまで続くのかという長い橋だが、肝心の荒川の水面が見えない。標柱をよく見ると、次のような説明があった。
日本一の川幅2,537mの鴻巣市側の地点は、ここより上流630mの地点です。
※川幅は、荒川左右岸の計画高水位での堤防間の距離としています。
計画高水位とは、堤防が耐えることができる水位の最大値をいう。ということは、めったにそんなことにはならず、普段は広い広い河川敷の中を普通の川が流れているという景色である。しかも河川敷に集落があって、ふつうに生活が営まれている。
私が訪れたのは秋だったので、河川敷ではススキの穂が風になびいていた。今の時期は見渡す限りのポピー畑がとてもきれいだそうだ。19日(土)~27日(日)は、ポピーまつりが開催される。会場はポピー・ハッピースクエアという、名前を聞くだけでも幸せになれそうな場所である。
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