2020年の大河ドラマは明智光秀が主人公だという。ついに、この時が来たか、という深い感慨を覚える。日本最大のダークヒーローである。ゆかりの地もたくさんある。「光秀まつり」を行っている恵那市明智町は大喜びしているだろう。大河ドラマは史跡を再発見する大きなチャンスとなる。
『真田丸』が放映されていた年に鴻巣市を歩き、「小松姫」ののぼりを見つけた。小松姫は、大泉洋がやっていた真田信之の嫁さんで、吉田羊が演じ、存在感のある雰囲気で魅了した。おかげで、小松姫もメジャーデビューできたというわけだ。
鴻巣市本町八丁目の勝願寺に「真田小松姫の墓」がある。写真では「大蓮院殿英誉皓月大姉」という法名と、元和六年(1620)の「庚申二月二十四日」という命日が確認できる。
小松姫の父は、藤岡弘演じる本多忠勝である。猛将忠勝も娘にはメロメロだったが、さもありなん、という気がする。この地とは、どのようなゆかりがあるのだろうか。下の小さな説明板に次のように記されている。
元和六年(一六二〇)江戸から草津温泉へ湯治に向かう途中鴻巣の地で亡くなる。
せっかく温泉で癒されようと思ったのに残念。この小松姫と信之の子が、真ん中の墓に葬られている真田信重である。墓石には「滋野朝臣真田隼人正」「暁誉崇山居士」「慶安元子二月廿三日」の文字が確認できる。母と同じく、鴻巣で病没したとのことだ。その左が徳川譜代の鳥居忠政の娘で、重信の妻の墓である。「松月院殿」という法名が見える。亡くなったのは慶安二年(1649)12月9日だそうだ。
ここ鴻巣に墓石が並んではいるが、長野市松代町西条の西楽寺に「真田信重霊屋」があり、国の重要文化財に指定されている。そこにあった松代藩で信之(大泉洋)の後を継いだのは、信重の兄の信政(大山真志)であった。信重は埴科に別家を立てたが後嗣なく断絶した。
長野市松代町松代の大英寺には、武者姿の小松姫の肖像画がある。のぼりに描かれた肖像である。大河『真田丸』第36話では、沼田城を舞台として、吉田羊が美しく凛々しい武者姿を見せてくれた。
沼田市には高校生考案の「小松姫コロッケ」があるが、小松菜をメインに、ごぼう、チーズ、スモークした合鴨などが入っているプチ豪華な総菜ということだ。大河ドラマの影響はかくも大きいのである。
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