うずまきナルトというキャラクター名は、ラーメンの具材に由来している。ラーメンにのるナルトは、ぐるぐる模様が鳴門の渦潮を思わせることによる。渦といえば「コリオリの力」を思い出す。台風が反時計回りになるというやつだ。具材のナルトには、渦の向きがあるともないとも。本物の渦潮はどうなのだろう。
鳴門市と南あわじ市の間の鳴門海峡は「鳴門の渦潮」で有名だ。瀬戸内海国立公園に指定されている。
上の写真は時計回りのように見える。渦潮にはコリオリの力は効かないらしい。こうして上から渦を見学できるのは、大鳴門橋下の遊歩道「渦の道」のおかげだ。いったいなぜ、鳴門海峡に渦潮ができるのだろうか。説明板には、次のように記されていた。
鳴門の渦潮
鳴門海峡は、孫崎(鳴門側)と門崎(淡路島側)に狭まれた、1,340mの狭い海峡です。この海峡の鳴門側から約200mのところに裸島、淡路島側から約300mのところに中瀬と呼ばれる岩礁があり、その中間はV字型に深く落ち込み、最深部は約90mにも達します。また、海峡の南側には水深140m、北側には200mの海釜(かいふ)があり、この鳴門海峡独特の海底の地形が潮の干満にともなう海水の流れと合わさり、鳴門の渦潮を発生させています。
鳴門海峡に発生する渦潮の大きさは直径最大20mにも及び、世界でも最大規模と言われ、大潮の時の最大流速は時速20kmにも達し、この激しい潮流から発生する轟音から鳴門(鳴る瀬戸)の名が生まれたと言われています。また、世界3大潮流「イタリア/メッシーナ海峡」「アメリカ/セイモア海峡」「日本/鳴門海峡」の1つとしても有名です。
お風呂の湯で手刀を切ると渦ができる。鳴門海峡でも、V字の壁に沿って深く落ち込む流れが渦をつくるのであろう。誰が決めたか、世界三大潮流の一つだという。ちなみにセイモア海峡はカナダに位置する。
渦の道から南に小さな島が見える。「飛島(とびしま)」である。行政地名では鳴門市鳴門町土佐泊浦(なるとちょうとさどまりうら)に含まれる。土佐泊は京と土佐を結ぶ海上交通の要所であり、『土佐日記』の紀貫之も立ち寄っている。ただ残念なことに『土佐日記』には、渦潮に関する記述は見られない。鳴門海峡を通過せず、紀淡海峡へと向かったようだ。ちなみにこの飛島には、過酷な自然条件ながら県天然記念物「飛島のイブキ群落」がある。
渦の道を訪れた時は曇り空だったが、ふた昔ほど前、晴れた日に観潮船に乗ったことがある。けっこう渦に近寄ってくれたので、叫びたいくらい楽しめた。そして、船が渦潮に巻き込まれクルクル回って沈まないかと心配したが、そんなことにはならなかったし、そんな船を見ることもなかった。
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