曼珠沙華には何かがあると思わせる強い個性がある。これが熱帯の植物なら何も驚かないだろう。山間部の夏が終わり気温の変化が感じられる頃、緑の中に突然のように現れる紅い花。彼岸花と一般的には呼ばれるが、キツネ花というのも聞いたことがある。有毒ということがミステリアスな魅力に花を添えているかのようだ。
日高市高麗本郷の「巾着田(きんちゃくだ)」は「ヒガンバナ(曼珠沙華)群生地」として知られている。
近くの日和田山に登ると「きんちゃく」の形がよくわかる。高麗川の蛇行によってできた地形である。
いちめんの菜の花は見たことがあったが、どこまでも続く紅い花もまた記憶に残る風景である。詳しく知りたいので、日高市観光協会作成の説明板を読んでみよう。
巾着田周辺の高麗川の岸辺は、ヒガンバナの群生地であり、その規模は長さ約600m巾約50mにもわたり、全国的にも最大級のものといわれています。
群生した成因の定説はありませんが、種を付けず球根で増える性質のものであるため、一般的に河原にあるヒガンバナは、上流部から流されてきた球根が自生して群落をなすといわれています。また畦道に植えられたものが、洪水のたびに流出して現在の群生地をなしたものと考えられます。
この周辺は秋の彼岸のころになると周囲一面が真紅な色で染められ、ニセアカシアの林の緑と高麗川の清流とが相まって、美しさをいっそう引き立ててくれます。
おっしゃるとおり、本当に美しい。美しさに酔って酒まで買って呑んでしまった。旅心をくすぐるご当地デザインである。
今年も曼珠沙華の季節が近付いている。美しく咲きそろい人の心を奪ってほしい。少々毒があるほうが美しく見えるというのは、おそらく真実だろう。
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