母はどうやっても乗り越えられないものだと思う。つい反発してしまうのだが、やはり孝行すべきものだと、いつの間にか素直な子どもに戻っている。そんな思いから親子の伝説の残る地を紹介しようと思う。以前に橘逸勢父子については紹介したが、今日は同じ地のもう一つの伝説である。
大阪府泉南郡岬町孝子(きょうし)の孝子観音・高仙寺の本堂奥に「役行者母公之墓」がある。
実は役行者(えんのぎょうじゃ)の母の伝説は各地に残るようだが、この地の伝説を説明板で読んでみよう。
役(エン)の小角(オヅヌ)当地で官の役人に、母にかわってつかまった時、母親は当地で止まり住み死亡、遺骸を当地に葬ったと伝う。
注)和泉山脈には、役の行者(小角)が法華経二十八品になぞらえて設置した二十八の行場があるが、高仙寺もその内の一つとされている。
岬町教育委員会
妖術を使い民を惑わす者だとして、朝廷は役小角を捕縛しようとするが、なかなか捕らえられない。そこで母を人質としておびき出したところ、小角は母の苦痛を思い自ら縛についた。ああ、孝行な息子よ。男児たるもの、かくありたいものだ。
最寄りの駅は南海本線の孝子駅。孝子の地名の由来は、役行者母子だとも橘逸勢父子だともいわれている。訪れたのは平成22年。和歌山側の次駅は「紀ノ川」だったが、平成24年4月1日から「和歌山大学駅前」となった。和大生よ、隣駅の名にあやかって、あまり親に心配をかけないでくれたまえ。
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