親死子死孫死,冒頭から縁起でもないのだが,これは目出度い言葉である。順番通りにこの世を去ることが幸せなことであり,その逆ほど不幸なことはない。私はこれを良寛和尚の言葉だと思っていたが,一休和尚あるいは仙厓和尚の言葉らしい。どの方も逸話の多い名僧である。
倉敷市玉島柏島の円通寺に「玉島の良寛」像がある。
良寛和尚は越後の出だが,円通寺第十世の大忍国仙和尚を慕ってこの地で修行をする。おそらく像のようなお姿で托鉢されていたのだろう。
円通寺は気品のある寺だ。掃除が行き届いていて凛とした清澄さを感じる。写真の茅葺屋根の建物が本堂である。元禄14年の完工である。 現在の屋根は平成10年10月10日に葺き替えたもので,茅が入手しにくいため葦(よし)で葺いたものだという。
岩のよろしさも 良寛さまの想ひ出
種田山頭火も良寛和尚を慕いこの地を訪れた一人だ。人は人を呼ぶ。円通寺は心静かに思索するのに相応しい名刹である。
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