東京に行くなら、東京モノレールに乗って東京タワーに登って、名所の名前に東京とつかなければ来た甲斐がない。そういえば、スカイツリーはどうだろう…。東京が付いていた。これなら安心だ。そして、東京といえば大仏でしょ。
板橋区赤塚五丁目の乗蓮寺に「東京大仏」がある。
この大仏は新しい。その由来を説明板に教えてもらおう。
この大仏さま(阿弥陀如来)は、当山住職二十三世正譽隆道が、昭和四十九年八十八才にて発願、完成まで約三年の歳月と延べ三千五百人の手によって昭和五十二年四月の完成をみました。
千葉氏の居城であったこゝ赤塚城二の丸址に乗蓮寺を建立するにあたり、千葉氏一族、戦没者、そして有縁無縁の霊をとむらい、世界の平和と万民救済の願いがこめられております。
奈良、鎌倉の大仏に次ぐ東京大仏です。
合掌して南無阿弥陀仏と十遍となえましょう。
材質 青銅(ブロンズ)製
重量 32トン
座高 8.2メートル(頭部3メートル)
蓮台 2.3メートル
基壇 地上2メートル、地下1メートル
室町期に下総千葉氏と対立したローカルな豪族、武蔵千葉氏の霊を弔うことに始まり、世界の平和まで希求する東京大仏。奈良、鎌倉と並ぶ日本三大大仏との呼び声もある。歴史は浅いが地域の方や仏像ウォッチャーに親しまれ、通りの名前も「東京大仏通り」である。
信仰心の薄い私も南無阿弥陀仏を10回唱えて、大仏ならぬ小仏を買った。どうか世界の平和が訪れますように。訪れた頃はイラクの主権が連合国暫定当局からやっと暫定政権に委譲されたという時期だった。今はムバラク大統領辞任後のエジプトで新政権の樹立が平和裡に行われますようにと祈るばかりだ。
この紋所が目に入らぬかの三つ葉葵が使用されている。乗蓮寺は、寛保三年(1743)に8代将軍吉宗が鷹狩りの際、雨宿りをしたのが縁となって、将軍の休息御膳所に指定された。もとは板橋の中宿にあったが、戦後にこの地に移転され併せて東京大仏が建立された。
東京大仏は板橋十景(平成15年、板橋区選定)、そして新東京百景(昭和57年、東京都選定)の一つである。すっかり名所として定着している。お土産に小仏がちょうどいい。むかし修学旅行で奈良の大仏を見に行ったとき、やはり同じようなミニチュアを買った。しばらく飾ってあったのだが今はもうない。子どもなら奈良の大仏、大人になったら東京大仏がおすすめだ。